今年は寒い日本列島で、多くの宮古島出場者を悩ませた年ではなかったでしょうか?
宮古島直前の3月の練習量は
スイム47.1km
バイク1204.5km
ラン356km
と、前年並みの練習量は確保しましたが、バイクの外乗りは寒さでしにくく、全体的にイマイチ全てタイムが悪く、しかも身体に疲れを感じたままで大会を迎えました。
大会当日の朝は、雲があったのでそれほど気温の高さは感じず、風も無く、おだやかな気候のように思えました。
スイムスタートは、バトルでのヘンな消耗を避けるために、いつもの真ん中2列目をキープ。
午前7時。スタートの合図が鳴り響く!
スイム序盤はバトルを避けたつもりだったが、いつものようにもみくちゃ。。。
冷静に第1ブイである600m地点に向かって泳ぎ、そこから岸と平行に泳ぎ始めます。
その頃には集団もバラけ、自分のペースに戻る。
しかし、例年と異なりなかなか進まないような、、、
調子が悪いのか??
しばらく泳いでいると折り返しの第2ブイとなる1700m地点に。
実は逆潮だったようで、あとで聞いた情報では40名が制限時間に間に合わずカットされたようだった。
残り1300mは去年より随分と両サイドのコースロープが狭まった感じで、また、混雑し始めたが、ここはガマン、ガマンでなんとかやり過ごし上陸。
すると、前にはこうたん(室谷さん)が。
ほぼ同時のスイムアップでしたが、49分、104位でバイクに移行。
バイクには補給食として、おにぎり2個、梅チューブ、スナック菓子、ピットインゼリー2個、切り餅2個、スクィーズボトルに「ここでジョミ」5個を少し水で溶かして準備した。
バイクスタートをして、ペース的には徐々に上げていくつもりが、40kmくらいのところで突然20名くらいの集団が追いついてきた!
僕の前に入るものだから、ドラフティングにならないように前車との距離を空けるとすぐにそこに別のバイクが、入ってきて、また空けると別の、、、
その集団を振り切ろうと前に出ると、後ろのぴったりと付いて、力を緩めた頃にまた前をふさがれる、、、
こんなことを繰り返すうちに当然、スピードを落とさざるを得ない状況となり、数分前を走っている仲間たちよりタイムを落としてしまった。
しかし、慌てることだけは避けようと、補給食をしっかり摂ることを考え、水分、固形物、水分、ジョミの順で摂っていた。
70km地点の東平安名崎灯台付近で、そろそろ集団から逃げないとと決断し、一気のアタックで振り切った。
灯台からの出口で後ろを振り返ると、もう後ろに集団は見えなかった。
それから20kmほど一人旅をしていると、今度は3名ほどの集団がやってきた。
他人のドラフティングの批判はしたくないので、冷静に自分は規定以上の距離は保ち、後ろに付かれても冷静に自分のペースを守り続けた。
今年は例年に無く風がなく、バイクはみんなタイムが良かったようだ。
バイクゴールし、ジョミとゼリーを持ちいよいよランに。
ランの走り出し2kmで状況はのめた。
かなりの暑さで持久戦となることがすぐに理解できた。
いつものペースで慌てて入れば、どこかで歩くことになりそうだと判断したので、いつもの8割の力(ペース)で走ることに。
バイク終了の順位が47位だが、この辺りの順位になるとランで追いつくのは容易でない選手層だとは分かっていたが、なかなか一人抜いても次が現れず、もちろん、バイク終了時点で15分近く離された「こうたん」や「バカボンさん」の後ろ姿は見えなかった。
しかし、右足を疲労骨折している「こうたん」がなかなか見えないのは信じがたい心境で、そのがんばりに脱帽というか敬意を評して走った。
折り返し近くでウクライナ出身のトップ「アントン]選手とすれ違うが、例年よりすれ違う位置が折り返しよりだったので、この暑さにトップ選手も手こずっているのが確信となり、あとは自分のペースだけを崩さずに信じて走れば何とかなるのでは?と気持ちを落ち着かせた。
折り返し地点が見えるところで、ジョミを摂りながら「こうたん」「バカボンさん」の二人とすれ違った。
何とか宇宙人2匹に追いつくことができた。
それにしても、バイク途中ですれ違った「バカボンさん」のバイクパフォーマンスは凄すぎ!
「こうたん」も骨折をおしての我慢のラン。。。
素晴らしかった!!
折り返してすぐにジョミを摂り、スペシャルドリンクが置いてあるエイドで再び、ジョミとゼリーを流し込み、
35kmくらいまでは快調なリズムなランで順位を上げていく。
宮古島で僕自身最もキツイのは、残り2kmあまりから。
上り基調が多いこの区間で足取りが極端に落ちる。
何とか歩かず、止まらず、出来ればペースを維持しながらと苦しみぬいているとようやく競技場が見え、トラックに入った。
最終コーナーを回ると、ゴールゲートが青空の下に鮮明に映え、表示されたタイムが目に入る。
「8時間46分・・・」
悪くないタイムだった。
そのタイムを確認出来ると、ふいに身体中の力が抜け、あんどの表情で両手を上げ、ゴールした。
ゴールしてすぐに駆け寄ろうとする仲間やTVのインタビューのクルーが近寄ってきたが、
気持ちが悪くそれを避けるように日陰に歩いて行った。
それからのことはあまり覚えてないが、水を浴びながら、飲みながら4〜5分くらい眠ってしまったようだ。
どうも熱中症で倒れたみたいだ。。
今まで出一番暑い宮古島のレースとなった今回も様々な感動が心を潤した。
そんな瞬間や感動を味わえるこの環境や支えてくださる方々への感謝を忘れず、これからもまい進していきたいものだと、強く感じた。
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